優しい時間

優しい時間 DVD-BOX

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製作年度:2005年
製作国:日本
出演:寺尾聰二宮和也長澤まさみ
ストーリー:日本有数の総合商社のエリート社員であった勇吉は、妻・めぐみが他界した3年前に、57歳で会社を退き、めぐみの生まれ故郷である富良野に移り住み、喫茶店を開業した。今では、勇吉のひとり息子・拓郎も、富良野から50キロ余り離れた美瑛町の焼き物の壷場で、見習いとして修業をしていた。…しかし、父子は互いに連絡を取っていなかった。妻であり、母であっためぐみは、息子の拓郎の運転する車の事故でこの世を去ったのだ…。――時の移り変わりを忘れたように、清らかな美しさを見せる富良野の喫茶店『森の時計』。時間がゆっくりと過ぎるこの土地で、父と子の間の時間は、動き出す時を静かに待っている…。

倉本聰の脚本、寺尾聰の演技に感服!
こんなに穏やかなのに、面白いと感じるドラマはそうそうありません。
小さな町で起こる小さな事件。そのちょっとした事件に一喜一憂する町の人々。それを淡々と、でも魅力的に描いているんです。一話ごとに少しずつ引き込まれていって、いつの間にか『森の時計』の常連客になっている錯覚に陥ってしまいます。そしてマスターのとりこ。


寺尾聰の台詞の間合いが絶妙。沈黙から、台詞がこぼれ落ちる瞬間、切ないような苦しいような気持ちにさせられることがたびたびありました。
二宮和也の純粋なまっすぐな言葉たちもとても魅力的。ちょっとぶっきらぼうな、でも優しい言葉が、タクの純朴な性格をよく表していますね。タク=『北の国から』の純、って感じですね。純のほうが情けないし、どうしようもないけど、なんだか通じるものがあります。根が純粋なところかなぁ。
長澤まさみ演じるあずには、だいぶイライラさせられましたが、それを狙っているのだとしたら、お見事!
毎回ゲストが出るのですが、その方々もとても良かった。印象的なのは小泉今日子かな。看護婦役であずにお説教(?)をするシーンが印象的。そう、本当に死にたい人間はあんなリストカットはしないのでしょう。それをずばっと言い放ってしまうところがかっこよかった。


倉本聰は家族を書くのがとてもうまい。切なく、でも暖かく、、、


本当にいいドラマでした。若い人にも、年配の人にも、幅広い年齢層に受け入れられる数少ないドラマだと思います。


いつか『森の時計』でコーヒーが飲みたい。